純喫茶(じゅんきっさ)とは、酒類を扱わずに純粋な喫茶店を指します。一方で、酒類を提供し、女性スタッフ(ホステス)による接客を伴う特殊喫茶(カフェー)とは異なります。
明治時代には、ミルクホールが知識人たちの社交の場として存在しました。明治末期には、主にコーヒーを提供する「カフェー」という店舗が登場しましたが、こうした店では女性スタッフが接客を行い、夜には酒類を提供し、客がチップを支払うというスナックやクラブのような業態に変わっていきました。これらのカフェーは喫茶店とも呼ばれ、関東大震災以降に広まりましたが、一方で本来の意味での酒類を扱わない喫茶店も一般的に存在するようになりました。
このような風俗営業的なカフェーと喫茶店は、1929年に「カフェバー等取締要項」、1933年に「特殊飲食店取締規則」が制定され、規制の対象となりました。酒類とホステスによるサービスが主体の業態を「特殊喫茶」、接客を伴わない喫茶店を「純喫茶」と区別することとなりました。
1955年から1975年頃までは、「純喫茶」と名乗る喫茶店が各地に多く存在しました。
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